科学組実験室
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平尾台散策
   北九州市にある平尾台は、観光名所として有名ですが、地学的にも実に興味深いところです。平尾台は約2億5000万〜2億年前に赤道近くの暖かい海「古地中海」といわれるテーチス海の生物礁(サンゴ礁)として形成されたものです。 (この時代は、地質時代でいうと、古生代の二畳紀あたりになります。平尾台近くの香春岳なども同時期にできたものです)  地殻の変動により、今は、標高400m〜600mほどの高さに位置しています。
平尾台観光センターから見た風景
茶ヶ床から見た風景

 急なカーブが続く坂道を登って行くと頂上には広大なカルスト台地が広がっています。平尾台にはさまざまな地形が見られますが、まず最初に驚くのは、白い石灰岩の塊(ピナクル)が点在する羊群原(ようぐんばる)と呼ばれる風景です。暖かい季節には緑の草原となり、秋から冬にかけては、ススキの茶色とのコントラストがとても美しい草原です。
 
ピナクル
小穴周辺の様子
 
 平尾台の石灰岩は、長い年月をかけて、雨水などにより溶かされ、独特の地形を形作っています。ドリーネと呼ばれるすり鉢状の窪地や、岩の表面には水によって溶かされてできたカレン、数多く存在する鍾乳洞もよい例です。平尾台には「千仏鍾乳洞」「牡鹿洞」「目白洞」をはじめ多くの鍾乳洞があります。(現在散策できるのはこの3つの鍾乳洞です。)  千仏鍾乳洞は鍾乳洞の中を小川が流れ、一年を通じて、内部の温度は一定に保たれています。牡鹿洞は、洞口部分が竪穴観光洞で、25mほど降りると、地下川タイプの横穴が現れます。ここからはニホンカワウソやナウマンゾウなどの化石も見つかっています。目白洞は、平尾台最長の洞窟です。ここでもナウマンゾウやオオツノジカなどの化石が見つかっています。
 
千仏鍾乳洞 内部

 
 茶ヶ床から中峠、広谷へ抜ける道は、絶好のハイキングコースです。茶ヶ床は草原のちょうど中間地点にあるビューポイントで、美しい羊群原を見ることができます。茶ヶ床を過ぎ、小高い丘を越えると、広谷に着きます。広谷湿原では、カルスト地形とは少し違った植物や動物、昆虫を見ることができます。小川のそばには遊歩道も整備され、歩きやすいです。案内板もあるので、ゆっくりと散策してみましょう。
 
広谷湿原 平尾台の花

  ※藤田博士は若いころ鍾乳洞を発見され、この鍾乳洞は先生と先生の友人の苗字を取って「藤戸洞」と命名されています。先生の向学心は多岐に渡り、また明治専門学校(現在の九州工業大学)教員時代にはご専門の熱力学以外にも、地質学等、さまざま分野の研究をされ、ご自分の足で多くの有益な観測データを収集されました。
 先生の幼少時の自然の中での体験とそこから多くのことを学ぼうとする姿勢は、先生の小倉中学(現在の福岡県立小倉高校)や、明治専門学校で教えられた授業内容にも活かされ、多くの優秀な後輩をも育てることになりました。

※平尾台散策の注意!
 平尾台散策は、大人といっしょに行きましょう。
 平尾台に着いたら、まず「平尾台自然観察センター」に行って、平尾台散策コースのパンフレット等を手に入れましょう。
  平尾台は国立公園に指定されています。ここにいる動物や植物などは採ったりしないようにしましょう。また、歩道以外の草地などにはむやみに入らないようにしましょう。小さな穴などがあり、大変危険です。




平尾台以外の北九州市の不思議な地形紹介
  ・梅花石(門司区)
 門司区の梅花石 ウミユリの化石が見られます。 約3億5000万年前に海に体積した岩石でアンモナイトも見つかっています。 採掘で削り取られたため、地層が露出しています。
梅花石
  ・遠見ケ鼻の地層(若松区)
 新生代第三期の地層です。侵食により、地層が露出しています。このすぐ近くには千畳敷と呼ばれる海岸があり、「不整合」と呼ばれる地形が見られます。
若松 遠見ヶ鼻
  ・曽根干潟(小倉南区)
 小倉南区曽根にある広大な干潟です。カブトガニなどが生息しています。干潮時には、沖の間島へ歩いて渡れますが、潮の満ちる時間が早いので取り残されないように注意してください。

曽根干潟
曽根干潟のはぜ
  ・城山緑地(八幡西区)
 JR黒崎駅の北東にある公園。数百万年前の火山の跡の高さ64mの小高い丘です。


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